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2017年01月31日 (2)

なぜ「切符売場」ではなく「きっぷうりば」と JR は書くのか?

[★ 国鉄 自動きっぷうりば サイン ] JR の言葉遣いに対しての指摘を書きましたが,今回もそれと同じような話題です.N ゲージにはまったく関係ありません(^_^; ただしこちらは,「〜番代」のような誤用を広めるな,といった話ではなく,もう少し軟らかいというか,目くじら立てるほどのことではありません.以前,こんな記事が目に留まりました:

「きっぷ」と「切符」の違いを知っていますか
「みどりの窓口」係員でも知らない?意外な話
── 東洋経済 ONLINE 2016/02/18

内容を簡単に言えば,JR で「きっぷうりば」とひらがなで表記している理由についての解説です.その理由は,JR が定めている旅客営業規則において (基本的に JR 各社で同じようですので,ここでは例として JR 東日本のページへリンクしています),

  • 世間が '切符' と呼んでいるものは「乗車券類」「入場券」のことである
  • 「切符」は「普通手回り品切符 (同310条)」「一時預り切符 (321条)」のことである
  • よって,「乗車券類売場」としたいが,世間には '切符売場' でないと通じない.だがそうは書けないため,「きっぷうりば」と,'切符' 部分をかな書きしている

というもの.この記事で書かれている「きっぷ」とひらがな書きするする理由,というのは知らなかったので,興味を惹かれる記事でした.……が,読み終わって,さすが親方日の丸体質が抜けていない JR だな (国鉄時代の体質がそのまま引き継がれているのだなぁ) とも思いました.
なぜなら,旅客営業規則は法律でも何でもなく,鉄道営業法 第3条:

第三条 運賃其ノ他ノ運送条件ハ関係停車場ニ公告シタル後ニ非サレハ之ヲ実施スルコトヲ得ス
2 運賃其ノ他ノ運送条件ノ加重ヲ為サムトスル場合ニ於テハ前項ノ公告ハ七日以上之ヲ為スコトヲ要ス

に基づいて,JR 東日本 (なり JR 各社) が独自に定めている私的な規則に過ぎないからです.この条文によれば,「停車場に公告」さえすれば変えられる訳で,ある日,「乗車券類」を「切符類」に,「切符」を「票」とか適当な用語に置き換えたものを公告すればいいだけです.というかそんなことをしなくとも,「乗車券類」を世間一般で通用する「切符」と表示してはならないという法律もないのですから,「乗車券」だろうが何だろうが,「切符売り場」と書けばいいだけです.今だって,駅員に『きっぷうりばはどこですか?』と訊いたとき,『ひらがなのきっぷですか?』とか『切符ではなくて乗車券ですか?』なんてバカなことを訊き返す駅員はいないでしょう? '切符' も「きっぷ」も音は同じなんですし.
にもかかわらず,この私的契約文面を金科玉条のごとく解釈して,「切符売り場」と書いてはいけないと勝手に決めて,「きっぷ売り場」のような抜け道に走ってみる,というのは典型的なお役所仕事体質だと思います.公務員 (正確には公社職員ですが) だった国鉄時代の思考そのままなんだなぁ,と.

ただしこの件は,日本語に悪影響を与えている (間違った日本語を使っている) 訳でもないし,こう使い分けることで余計なコストがかかり,運賃が上がったりして結果的に利用者に不利益をもたらせている訳でもないでしょうから,冒頭に書いたとおり,私企業である JR が行う表示に目くじらを立てるべき事柄ではないのですけれどね.
それよりむしろ,冒頭で紹介した記事を書いている古谷あつみという方は JR 西日本の元社員の比較的若い方のようですが,規則に則るために「切符」をひらがな書きする策を編み出した JR はすごい!的な発想しか出来ていないところが驚きです.JR という組織は,この人が JR 西日本に在籍していた (恐らく数年というわずかな) 期間で硬直的な思考体質をあっという間に身につけさせる恐い企業なんだなぁという感じです... あ,大袈裟ですね :-)

タグ:鉄道
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