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2018年12月27日 (4)

沢柳 健一 『旧型国電50年』T・U

沢柳 健一・著 『旧型国電50年』T・U別に意図した訳ではなく,たまたま,2日連続で JTB パブリッシングから刊行されている 'Can Books' の紹介です.

私がレイアウトで再現しようとしているのは立川駅で,集める車両も,原則としてその立川駅に関係するものだけにしようと考えてします.既に,現時点で立川駅に関係する車両を集めるのが一段落しました.そこで,過去に走っていた車両にも手を広げ,新性能電車はひととおり揃えることが出来,ついに (?) 旧国にも手を出しました.この夏以降,通勤形の 72・73系70系,そしてこれは走らせる目的ではなく,鉄道公園で展示されているのを再現するためですがクモハ40 を買っています.
旧国を集め尽くすつもりは毛頭ありませんが,こんな風にいくつか買ってしまうと,今まではほとんど興味もなく,調べても来なかった旧国についてもう少し知りたいと思うようになりました.

しかしながら,新性能電車のように確立・整理された「系列」として製造されていた訳ではないらしい旧国の '沼' は,私のような素人には深過ぎます.そこでお手軽な入門書はないかと探したところ,目に付いたのは,沢柳健一による 2分冊の『旧型国電50年』でした.罵詈雑言が並ぶ Amazon.co.jp でのレビューにびびりつつも,安価に入手出来そうでしたので,2冊とも購入してみました.

以下に私も罵詈雑言を書き連ねますが (^_^;,私のような旧国初心者向けのとっかかりとなる資料として,結論としては買ってよかったかな.何より,「系列」なんてねぇんだよ!という主張もあるようですが (そしてそれは正しそうです),それでも敢えて判り易さを優先して,系列ごとに記載をまとめてくれたのは,読み易さに大きく寄与していると思います.それぞれの系列にどんな形式があって,どんな特徴があったのかが,ぱっと掴めます.図版も多く,判り易いと思います.

さて,変だろ,と思ったのをふたつほど.上巻 (T) は,何やら色がおかしい旧国の画像が表紙を飾っています.この巻の表紙カバー見返しにはこんな記述があります.

"期限切れ" のSakura Color Film を貰いました。(中略) 銀色緑帯のジュラ電は第一のターゲットでしたが、仕上がり画像には現像段階での部分的色かぶりがあり、その時代では治癒が期待できない重病人として、以後55年、「冷凍睡眠」状態に置かれる事となりました。現代のデジタル画像処理が1枚の失敗作を表紙と言う晴れ舞台に引上げた事になります。この種素材の長期保全が最も望ましい形で結実した例ではないでしょうか。

「冷凍睡眠」って何なんでしょう... 単に,現像失敗した,あるい期限切れのせいで色被りが起きていたフィルムをずっと持っていたのを,レタッチしたらそれなりに見られるようになった,というだけですよね,恐らく.これ以上は難しいのかも知れませんが,レタッチした割には空の色も変だし,表紙に載せるのなら徹底的にやればよいのに,と思ってしままい,これから読もうとする本文はどうなってしまうのか,思いやられました.
このほかにも例えば,「庶民にとって、避暑地の別荘などというのは、そう簡単に手に入るものではなく、海と山がもっとも手近なレジャーであった」という記載がありますが (「夏休みの海水浴臨電」,U 196p),まるで現代は多くの人が避暑地に別荘を持っているかのようで,書き手の意図がすんなりと頭に入って来ませんね... 「戦前戦後の時代は今と違ってレジャーが乏しく、庶民にとっては海と山とがもっとも身近なものであった」ということを言いたかったのだと思いますが.誤字も散見され,読むのに疲れるので,もうちょっと推敲・校正して欲しいものです.
たまたま,今月はじめにも鉄道ピクトリアル誌での記述についてコメントしましたが,鉄道系の雑誌・書籍に載っているこの世代の人たちの文章はどうも,回りくどかったり,自己満足というか,幅広い人に通じないものが多い気がします.ただしこの本は,鉄道ピクトリアルのコラム・エッセイ的記事とは違って,系列・形式の解説本なので,訳の判らない思い出話はあまりないので幸いですが.
(あ〜,鉄道ピクトリアルのときも同じ著者だったか... 「この世代の人たち」ではなくて,特定の人だけなのかも...)

Amazon のレビュアーの尻馬に乗るわけではありませんが,敢えて辛口コメントも書いたものの,プレミア価格でない定価以下で買えるなら,ぜひ揃えておきたい本でした.改訂新版は残念ながら出そうにないですね...


今回の支出額 ¥1,265
今回の買い物
  • 沢柳 健一・著 『旧型国電50年』T ¥357
  • 沢柳 健一・著 『旧型国電50年』U ¥908
 
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